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2010.04.07

[統計]”ゆーい差決戦主義”とFisher

 データを解析するときに、結果が統計的に有意かどうかだけにしか関心のないように見える傾向は、言いたいことと統計的検定のロジックが大きくくいちがっているときに、人をやや意地悪にすることがある。
 この傾向を久保拓弥さんは、「ゆーい差決戦主義」と呼んでいる(私は心の中では”p値マニア”と呼んでいる)。
 よく似た傾向は、別に生態学やそのまわりに限ったことでもなく、またかなり長く持続しているらしい。F. Yatesの論文
The Influence of Statistical Methods for Research Workers on the Development of the Science of Statistics. Journal of the American Statistical Association, 46, 19-34(1951)
は、”検定を強調し過ぎ”という傾向を議論するときによく登場する。この論文は、R.A.Fisherの『Statistical Methods for Research Workers』(研究者のための統計的方法)発行25周年に書かれたものである。Yatesは、『Statistical Methods for Research Workers』の影響(絶大だったらしい)の1つとして、データを分析する研究者が有意性検定の結果を過剰に気にして効果の大きさへの注目が弱すぎると言っている(”pay undue attention to the results of the tests of significance”)。今日までまだ続く傾向の成立を考える時、Fisherの影響は見逃せないポイントだろう。

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