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2007.05.31

[その他]鼎立あるいは揃い踏み

 一日の終わりに仕事がある程度きれいさっぱり片付いているということはあまりない。残りの件数を数えていると、列挙しているうちに次々思い出して、気が遠くなりたいこともあるが、どういうときに山をなす残りの件にたじろぐ(逃避したり、あれこれ思い迷って結局あまり進まない)かパターンを探っている自分に気がつく。
 去年の真ん中あたりから以下のようなことに気づいた。ある程度の時間がかかる、それをすると何かが新しく(少なくとも私にとって)わかったり教育の上でとてもいいことがあるような気がしない、近い将来のどこかで(は)やらないといけない、という三条件がみな成り立つような件が3つ(あるいはそれ以上)そろうと、たじろぎの程度が大きくなる。さらにこれに加えて、規模は小さいのだが、5分ではすまず結局30分くらいかかる可能性が濃い、いいことがあるような気がしない、やはりどこかで(は)やらないといけない、という小型の案件が3つ以上残っていると、さらにたじろぎ度が大きくなり逃避度が高くなるようだ。前者のグループを、江戸時代の幕府の三奉行(江戸町奉行、寺社奉行、勘定奉行)にたとえると、後者は下三奉行(作事奉行、普請奉行、小普請奉行)といったところだろうか。
 今日は”三奉行”の1つが片付いた(はず)。

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[本]医療崩壊

医療崩壊ー「立ち去り型サボタージュ」とは何か(著者 小松秀樹、発行元 朝日新聞社)を読みました。現在の医療が置かれている状態がよくわかるだけでなく、その原因の理解にも役立ちます(”崩壊”と形容されることが多いイギリスの医療についても、わかりやすかった)。医療にとどまらず、使命感を持って仕事をしている人をある程度かかえている職種や業界が競争原理や市場原理の強調でどうなるっていくのかを考えるうえでも参考になる点が多数ありました(とくに士気の崩壊について)。また、仕事の上で事故が起きてしまったときを考える上でも参考になります(必要とされる精神力をしめすものとして「上海の長い夜」が引用されていました。書棚の奥の方からまた引っ張り出しました)。
 『根性でやれといったり、懲罰を強化しても、無理なものは無理である』という箇所などは、使命感を持って仕事をする人をある程度かかえているところに共通しているうめきのようで、身につまされるというよりは、重苦しさと苦味を感じました。
 引用されているLancetやBritish Medical Journalの論文に目をとおすことができたら(時間的に苦しいですが)加筆するつもりです。

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2007.05.29

[統計]相関係数の不偏推定量

 大学が停電(定期的な)で、復旧作業で出動したら、電気製品の中に復旧しないものがあり、対応で翌日までかかってしまった、という新たなトラブル発生で、”トラブルは降る雨のごとく”という状態となる中で、ふいに母集団が二次元正規分布のときの相関係数(ここでは、いわゆる普通の相関係数である、Pearsonのrのこと)の不偏推定量について調べざるをえなくなった。よくある状況なので、統計の入門的なテキストでもたいていは扱われている状況だが、不偏推定量については書いてない。
 サンプルのデータで計算した積和を(n-1で割ったもの)は母集団の共分散の不偏推定量だが、相関係数(標本相関係数)は母相関係数の不偏推定量ではなく、arcsin(標本相関係数)がarcsin(母相関係数)の不偏推定量といったところまでは、確かKendall&Stuar本などで見た記憶があった。他の仕事の合間に電子ジャーナルでごそごそ調べているうち、ややこしい関数で表される不偏推定量が見つかり(Olkin&Pratt、Ann.Math.Statist.29:201-211,1958による、一様最小分散不偏推定量)、その近似式(r{1+(1-r^2)/(2n-2)})に到達して一応の目的を達することができた。
(追記、5/31)
 上の近似式も誤差は小さいのですが、Olkin&PrattとLehmann&Casellaの本(2版)に基づき補足しておきます。Olkin&Prattは超幾何関数で表現される不偏推定量を得て、その級数展開による近似も与えています。近似式はnが1次の形で出てくるものを使うなら、(r{1+(1-r^2)/(2n-6)})がよく、8以上のnなら1%以下の誤差とのことです。
 なお、nが20だと、母相関係数が0.4から0.6くらいなら、標本相関係数は2%くらいバイアスしていることになります。

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2007.05.27

[福岡]立坑やぐらとGoogleマップ

 福岡市とその近くで調査をする期間が長くなると、”あれは何だろう”と思うランドマークがいくつかでてくる。その代表が、志免町の立坑やぐらである。Googleマップの写真の方だとどんな風なのだろうとみてみたら、北北西くらいに伸びる長い影が印象的で、高いことがよくわかる画像だった。
 私は福岡県出身ではないのだが、どこかで志免町という名前は聞いたことがあると思っていた。どうも、はるか昔に、国鉄職員とその家族の割合が高い自治体ということでマスコミだが国会だかで取り上げられたことがあるというのが記憶に引っかかっていたらしい(いまJRなど鉄道の駅は志免町にはない)。国鉄の店(スーパーのようなものだったのだ思う)があって、周辺の自治体からもお客さんがいっぱいきたともそのころ聞いた記憶がある(いまのダイアモンドシティ・ルクルくらいの感じだろうか)[←ダイモンドが正しいらしいです]。
 いま、自動車で走ってみると、いかにも人口密度が高そうで、福岡県では二番目だそうだ 

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2007.05.26

[香椎・千早]紀伊国屋書店ゆめタウン博多店

 ゆめタウン博多(東浜)に紀伊国屋書店が開店したので、行って来た。ゆめタウンはいろいろ改装して25日がオープンの日らしく、とても混んでいた。紀伊国屋も全体ほどではないが混んでいた。約930坪とのことで、かなり広い。新刊文庫本などは確実に入手できそうである。このくらい(あるいはそれ以上に)本がある書店は、天神、博多駅、ダイヤモンドシティ(粕屋町[志免町中心部に近い])まで行かないとないから、周囲の書店への影響は大きいだろう。夜遅くまでやっている書店がなくならないといいのだが。
 まだウェブサイトから店頭在庫検索はできないようだが(紀伊国屋の店頭在庫検索には何度も救われたことがある)、できるようになると使ってしまいそうだーまさかとは思うが、この店では店頭在庫検索はできないままということはないだろう(もしできないとすると、たしか博多座店についで九州では2店め)。

(追記-5/26)
店内では専用端末から在庫検索できる。

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2007.05.21

[統計]2×2分割表で考える

 2×2分割表は、統計の教科書と言えばのっていないことはまれな、基本中の基本のなかのさらに基本ともいえそうなものである。単純だがよく使われる2×2分割表は、議論の穴や誤りをさがすときにも鋭くしかも重い刃物でもある。
 2×2分割表は、テストされるものは2つの反応のどちらか(生か死、メスかオス、表か裏など)しか示さず、説明変数(処理)側もAかAでないかといった単純なものである。実験群の反応と対照群の反応を比べているだけだから、ある処理が効果があるかどうかを示すにはどういうデータが最低限あればいいかを考える教育的な目的でもよく使われてきた。
 しかし、2×2分割表を理解していれば陥りそうもない誤りに出会ってしまうことは多い。教科書にも載っている”高級なもの”(Simpsonのパラドックスなど)ではなく、もっと激しいものについてここでは書く(決してまれではない)。
 2×2分割表は4つの数字からなるわけだが、そのうち2つしか数字がないことがある。たとえば、ある要因があるときとないときの性比を比べたいのだが、要因があるときの性比だけがわかっている場合である。いわば対照群のデータがないときである。それでも高い(あるいは低い)といわれると、なんとなく高い(低い)ような気がしてきて、問題の要因の有無によってちがいがあるかのような雰囲気になっている文章や話は少なくない。
 さらに意外にひっかかりやすいのが、4つの数字のうちたった1つだけしかわかっていないときである。要因があるときの片方の反応が見られた数しかわからないという場合である。個人的にこのような場合を『自称超能力者の時計修理』と呼んでいる。超能力者と名乗る人物がTVに出演して、視聴者に動かない古い時計があったら「いまから私が念(気)を送って時計を修理するので、時計を手で持って念をうけとめ、動き出したらTV局に電話してくれ」と言ったとする。するとTV局に相当数の「直った! 動き出した!」という趣旨の電話がかかってきたとする。これは、この超能力者と名乗る人物が気を送る/送られない、と、動かなかった時計が動き出す率に関係があることを示すと言っていいだろうか。2×2分割表で考えれば、4つ必要な数字のうちたった1つしかないので、だめに決まっている。気を送ったときにも動き出さなかった数もわからなければ、気が送られなかったときの動き出した数と動き出さなかった数もわからないのである。実は気を送ったときにも動き出さなかった数はぼう大だったのかもしれないし、気が送られなかったときにも古い時計は結構な率で動きだしたのかもしれない(機械式時計は手で持って温まると動き出すことがあるそうである)。2×2分割表的状況のとき、数字が4つそろっているかみるだけでも、いくらかは、あまりの大胆にジャンプした主張に『そうかもしれない』と思ったりすることが少なくなるだろう。

 2×2分割表関連で、統計の教科書などにとりあげられる誤りはもっと入り組んだものである。統計的ごまかしについては、本にリストを作って載せたことがあるし、ここでもブロックや層別因子(あるいは共変量)をないことにする件について書いたことがある。 2×2分割表に関係する、もっと入り組んだあやまりの例については別に書く。

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2007.05.12

[本][統計]Crawleyの「The R Book」

 先日書いた、Crawleyの「The R Book」が昨日到着した。厚かった。重かった。Nori_anzuさんがすでに書いておられるように、一般化線形モデルなどもっと多くてもいいような気がした(ぱらっとみただけですが)。

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2007.05.06

[その他]NBAプレーオフ1回戦ー続

 結局、ダラスはゴールデンステートに2勝4敗で負けた。1回戦が7戦シリーズになってから、第1シードの一回戦負けは初めてだそうだ。5戦シリーズの頃の例でも、ジョーダンのシカゴ後半時代になぜかプレーオフには弱いと言われていたころのシアトル、ニックスと遺恨・抗争のときのマイアミくらいのようだ。
 西の2回戦(カンファレス準決勝)では早くも、フェニックス対サンアントニオである。サンアントニオが勝つとすれば、またオーリーだろうか。

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[その他]書き出しと

 さまざま申請書の文案といったものを読んでいると、『ミステリの名書き出し100選』(早川書房編集部、 早川書房発行、ISBN978-4152087751)と『まことに残念ですが…―不朽の名作への「不採用通知」160選 』(バーナード、徳間書店、ISBN978-4198920104、このISBNは文庫の方)を連想してしまった。

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[大学]デス・マーチ

 しばらく前に私が働いている大学で、もっと働け、といった題名の講演会のようなものがあると宣伝されていた。正確にいうと、題名は、その一部か全部がカタカナだったと記憶している(「モットハタラケ」とか「もっとハタラケ」とかいったぐあいに)。どうやら実施寸前に演題が不穏当と認識されたようで、別の題名になっていた(不払い残業で警告を受けていたことを考えても、深く暗いものを考えざるを得ないタイトルだった)。
 かりに労働時間に対するきまりごとを考えなかったとしても、”もっと働け”と労働時間なり労働強度をあげても大学の本来的業務である教育・研究のできがあがるとは限らないだろう。それどころか、どんどん”もっと働”かせると過労状態に陥って、教育・研究のパフォーマンスは”もっと働”かせるほど下がるだろう。すでに、”もっと働”かせるとパフォーマンスが下がる下り坂にかなり入っている気がする。下り坂になっても、組織も本人も”もっと働け”の慣性みたいなものがついている。
 ソフトウェア業界では、”デス・マーチ”ということばを使うらしいが、大学全体あるいはかなり大きな部分がデス・マーチに向かってころがっているのではないかという気がするー季節はまだ少々早いが『仰のけに落ちて鳴きけり秋の蝉』(一茶)という観にならないだろうかー今日で連休も終わりである。

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[その他]久山町と合成地名

 しばらく前まで、福岡市の東隣で調査でもよく行く久山町がいわゆる合成地名だとは知らなかった(久原+山田)。大田区、国立市、昭島市(いずれも東京都)といった合成地名には、慣れていると自分では思っていたし、蒲郡(愛知県)のように一見合成とは思えないものの中にも合成地名があることも知っていたはずなのに。
 さて、日本以外では? と考えると、旅大(中国)以外にはすぐに例を思いつかない。もちろんブダペストのように有名な例はあるが、これは天津小湊(千葉県)のような感じである。地名でなければ、コスワース(コスティン+ダックワース)とかミグ(ミコヤン+グレビッチ)とかすぐ思いつくので、地名への関心が薄いせいかもしれない。

(追加)パキスタン(いくつかの州名の頭文字を並べ、全体では”清浄な国”という意味でラーマット・アリが考えた[ラピエール&コリンズの『今夜、自由を』による])を思い出したが、豊科町(長野県、現在は安曇野市)がこれにやや近いだろうか。

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2007.05.03

[その他]ネガティブ・オプション

 ネガティブ・オプションとは、いわゆる、送りつけ商法のことである。『注文しないのに送られてきた書籍』(国民生活センターのページ)が典型的なものだ。
 国民生活センターはじめ、都道府県庁のサイト内などあちこちに注意がある。当然といえば当然だが、売買契約したものが送られてきたわけではないから支払い義務はなく、所定の期間が経過すると送り返す義務もなくなってどう処分しようが送りつけられた被害者の自由ということである(詳しくは政府や都道府県の機関のサイトをみてください[長野県の例]、[経済産業省の中部経済産業局の例])。全国の地方自治体の消費生活センターのリストはこちらです。

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[本]「ぐっとくる題名」

 研究の計画といったもの(広い意味での、いわゆるプロポーザルです)の題名を見ていて、どうもぐっと来ないことが遠因になり、見かけた「ぐっとくる題名」(中公新書ラクレ)を思わず読んでしまった。あらぬ題名群を考えてしまい、プロポーザル的方面には役にはたたぬばかりか、題名についての制約が弱まってスタスキー&ハッチ方面とか「はれときどきぶた」方面に連想が走り出してしまった(’平均速度’で読める約200ページの本でよかった)。

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[本]「これからレポート・卒論を書く若者のために」

 酒井聡樹さんの「これからレポート・卒論を書く若者のために」(共立出版)をいただいた。”必ず買うリスト”に入っている本を、しかも、店頭に並ぶ前にいただけるのはとても助かる。

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2007.05.02

[その他]NBAプレーオフ一回戦

 マイアミがレギュラーシーズンで苦手としていたとはいえシカゴにスイープされたのにはちょっと驚いた。シカゴは次の相手はデトロイトということになるが、ここにもレギュラーシーズンで相性がいい。それよりもダラスがゴールデンステイト(やはりあれだけの勝率を誇る中で、ゴールデンステイトは苦手としていたが)相手に1勝3敗まで追い込まれた方が驚いたーその後2勝3敗まで盛り返しているが。NBAを扱った雑誌のプレーオフ展望をいまの時点で見ると、ゴールデンステイトはプレーオフ進出自体が確定していない記述になっているものもある。

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[統計][本]An Introduction to Categorical Data Analysis 第2版

 Alan AgrestiのAn Introduction to Categorical Data Analysisの2nd editionが出版されている(出版元Wiley、ISBN 978-0471226185)。第1版の訳が「カテゴリカルデータ解析入門」(渡辺ほか訳、サイテンティスト社)でとても役に立っている。
 2nd editionの実物はまだ手にとって見ていないが、いくつかの内容が追加されているそうだ(GEEについての記述が追加されているらしいのは個人的に助かる)。統計ソフトウェアはおもにSASらしい。
 

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2007.05.01

[本][統計]Crawleyの「The R Book」の重さ

 M. J. Crawleyと言えば、S-plusの大きな本であるStatistical Computingの著者だが、たぶんそのR版になりそうなThe R Book(Wiley、ISBN978-0-470-51024-7)は6月(amazon.comだと6/18)に出るそうだ。950ページ(mazon.comだと960)のでかい本で、Statistical Computingよりも判型は小さいものの、体積は1割り増しくらい、重さもやや重いようだ。
(以下、5月2日に追加)[コメントにあるように]もっと早く出るのかもしれません。私もイギリスのネット本屋に注文してみました。
(以下、5月4日に追加)すでに出版されているようです。

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