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2006.09.24

[統計]なんでも最尤法

 一時期、なんでも最尤法で考えていた時期があるーその前に、なんでもノンパラメトリクス期となんでもランダマイゼーション検定期があった。なんでも最尤法期は、もしかすると、まだ続いているかもしれない。2年に一度行っている統計的方法の授業(たぶん不評ーもっと貫禄のある人向きであろう)でも、最初の”まくら”の次には、いま生態学などを専門とするとして、もし、統計的な概念を1つだけ理解するとしたら、尤度だろう、というような話をしている(その次には、尤という字は犬ではないので「けん」と読んではいけない、といったはなしが挟まることになっている)。
 私が大学院生の時には、最尤法は何か難しいらしい高級っぽいが内容不明な方法だった。あるとき、こんなシンプルなものなのか→役に立つはずがない、と思った経験があり、その「たいしたものじゃないのでは・・」という状態から、尤度比検定とFisher情報量(分散の推定)でギャアと言うような衝撃を受けて、なんでも最尤法に至るわけである。複雑な問題には尤度比検定、最尤法がわかればデータ解析などの見方が広がるなど、いろいろご利益はあると思うし、何かの目安にしている統計量が妥当かどうかなど、最尤法が大きく扱われている生物学者向けデータ解析本としてはむずかしめの本にはあまり載っていないような役立ち方もするはずである。
 なんでも最尤法の時期には、普通、ノンパラメトリックな方法で扱うような問題も最尤法で考えようとしてしたりした。ノンパラメトリック尤度のような道具立てを考える力はなかったので、個人的な頭の体操以上のものではなかったが。

 最尤法への理解と役立つ範囲は、一応知っているのではなく、しゃぶりつくしたように理解した確率モデルの数とともに深く広くなると思う。等分散正規分布のt検定と同じ状況のモデル、単回帰の等分散正規分布のモデル、二項分布のモデル、ポアソン分布のモデルなどは基本だろうが、等分散ではない正規分布、等分散正規分布でも混合効果モデル、正規分布のmixture、二項分布を少し修正した確率が他の試行の影響を受けるモデル、Bradley-Terryモデル、error-in-variableモデルなど、自分の研究や関心に近いものをやってみると、意外なところで役立つことが多い。


(この項、さらに追加する予定です)

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コメント

最尤法について、わかったような気になれる良い例をさがしています。

1.GAMSの例がわかった気になれました。具体的に尤度関数を書いて、対数尤度を最大化して問題を解く。
2.エクセルで、誤差を求めて、パラメーターを、人海戦術的にいれかえて、正規分布になるまで、繰り返す。

ところが、正規分布だけではなく、ほかの分布でも良かったのですね。
3.GAMSの例にもベータ分布での例がありました。
4.ということは、@riskなどで触れた、様々な確率分布について考えても良いということになり、
いまさらながら、結構楽しく広がって行く世界を楽しんでいます。

投稿: kameyama | 2007.11.02 10:17

言うまでもなく、日本には最尤法の最先端の研究をなさっている先生方がいらっしゃいますよね。(それぞれの方がどのような最尤法との出会いをされたのかは興味の惹かれるお話ですね。)

(しかし、最尤法をつかってD論を書き、最尤法の有効性の恩恵にあずかっているわりには、私には”なんでも最尤法”というほど、はまった感じがすることは無かった。そういうはまっている自分が嫌いな性もあろう。)

(私があくまで個人的に)最初に(ピンク本以外で)最尤法の良さを感じたのは、(もう忘れたが、多分Kimira先生かNei先生ぐらいの有名な誰かが著された、Y教授の書棚にあった英語の)遺伝学の本だった気がします。それまで私にとってはただ、特定の値を計算するため暗記するだけの数式(定式?)だった、遺伝的パラメーターはなるほど、こんな理由でこんな導かれていたのか、と納得したのが、最初の出会いでした。

系統関係に関する尤度比検定について知ったときは、なぜか「あぁ、やっぱり(当然)こんな方法は考えられていたんだな」と、「昔の人はえらいなぁ、私のにも使えそうで良かった」ぐらいに意外とすんなり受け入れられた。

それには振り返ると、生態研によって提供された環境がが大きく影響しているのだろうと推測される。

異型花柱性の進化についての論文(Kohn et al のEvolution)について、多様な種が進化してくる過程にすて形質復元を使って調べたものがあったが、

それを読む際に形質復元を勉強するために、当時研究室にいらしたポスドク学振Mさんにより教えていただた本によって、異型花柱性という形質についてを考えるときに、形質の系列(ordered など)、重み付けについてが結論に影響を与えることなどを に知る機会が与えられていた。

その後、私がやろうとして失敗したMacCladeのマニュアルの輪読では、(非常に形質進化の方法を勉強するのにテキストとしても有用だった。)(結局、自分の中で日本語に中途半端に訳しただけでファイルがMOに眠りについてしまったが)、その系列について書いた章があり、
形質間の関係が気になっていた。

さらにその後、それがもっと具体的に使えないのかと,やはりポスドク学振K氏に形質について、簡単な□→□→□みたいなお絵かきをして相談したところ、種間比較に尤度比検定が使われている論文を教えていただいた。そして自分のD論でもまねをすればよいことが判った。(国際学会の参加で判ったことは、こんな状況が与えられたことは、アメリカでもそれほど確率は高くなさそうな気がする。)

ちなみに(関係しそうな人には繰り返しお話していますので耳蛸でしょうが、)D論をまとめる際には、Molecular zoologyの2章(Huelsenbeck et al.)は分子系統における最尤法・ノンパラ、パラメトリックを使ってデータがどれだけの精度を持っているのか、ということについて理解する手立てを与えるんだなあと(うっすらと感じて)、入手がこの本は困難で古本を買った割には面白く、D論の初稿に大きく影響され(つられ)た、(この本のeditorは生態研から海外学振で世界へ飛び出したI氏の研究に関連する人がされていると指導教官に伺った)。

投稿: ainsliaea | 2006.09.21 19:55

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