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2006.08.15

[大学]助教の任期制

 大学の教員の職名は、長いこと、教授、助教授、講師、助手だった(教務員を除けば)(学部によっては助手の仕事内容は大きく異なるがここでは理学部や農学部でよく見られるようなケースを想定している)。これが来年度から、教授、准教授、講師、助教となり、助手という名前の職はあるもののこれまでとはちがい職務内容が教員とは言いがたいものになる。このこと自体は学校教育法の改正ですでに決まっており、法案が国会にかかっているときにふれた。
 来年度まであと7ヶ月半くらいなので、各大学では具体的にどうするか検討が進み始めているようだが、少なからぬ大学で、助手→助教へと単純に移動するのではなく任期をつけるという案が大学執行部から提案されている。その中味もいろいろのようではあるが、現在、任期付ではない助手である人に、任期付き助教になれ、というのは労働条件の不利益変更だというのは私などから見るとはっきりしている。3年とか5年といった期限の付いているポストと終身雇用のポストの”魅力”のちがいは大きなもので、期限付きの方にかなりの好待遇や好条件を載せてやっても、秤は水平にはならない。任期付きの助教は他の多くの期限付きポスト(ポスドク)と似たものと見なされるだろうし、場合によっては、給料が少ないポスドク、といったものになるだろう。
 当事者ではない人にとっても、とくに理学部や農学部では助手は教員のかなりの部分を占めているから、どういう制度にするにせよ、けっこう大きな影響が、中期的(10年くらい)や長期的(30年くらい)に出てくる可能性が強いと思う。しかし、意外に、助教の任期制についてまとめているサイトは少ないようである(こことかここ[私が働いている大学の組合のサイト]とか)。
 ちなみに、学校教育法の改正後の条文は、ここここをあわせてみる(政府のサイト)。大学の教員組織を変えるにあたっての文部科学省から各大学への通知も見られる。
 また、ちょっと前だが国立大学の教員の給料の”官民比較”はこちらである(国立大学の方は見ないほうがいいかもしれない)。

このウェブログでは助教を含む大学教員組織の変更について、
 すでに「助教」の任期制が
 助手→助教ー法案はもう参議院
 助手が助教に
 助手→助教(と助手)

でもふれています。

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コメント

おべっか、宣伝と立ち回り上手が出世する”会社”とそうかわらない組織になりました。まじめな人は損をする。まじめな人は”苦行”してください、救済はしませんよ、ってことか。

投稿: ななし | 2006.11.12 12:57

解決策は当然、他にもあると思います。「あちこちの穴をふさぐために走りまわる人数が減ること」はいま考えられている助教の任期制の、ありそうな(マイナスの)結果であると私は考えています。

投稿: A1 | 2006.08.20 03:07

回答ありがとうございます.たしかに教育面の影響は重要だろうと思います.しかし,助教を任期なしにして「あちこちの穴をふさぐために走りまわる」人数を増やすことだけが唯一の解決策ではない場合もあるかもしれません.

投稿: 久保 | 2006.08.19 12:56

すぐに考えられるのは、職業としての競争力低下と、士気低下の結果としての大学の教育機能低下ではないでしょうか。短期的には終身雇用教員の教育/研究以外への動員強化も起こりそうで、すでにそうなりかかっていますが、研究者としての大学の教員は職業というより、”諸苦行”になりそうな気がします。

投稿: A1 | 2006.08.18 15:06

来年度から任期つき助教になりそうな久保です.粕谷さんが以前からこの問題に関心をもっておられることに関心があるのですが……組合などが指摘する雇傭上の問題はともかく,粕谷さんが懸念しておられる中長期的な影響,というのはどういった内容が考えられるのでしょうか? このよくわからない制度変更で大学がけっこう変わる,と予想されているわけですよね.

投稿: 久保 | 2006.08.17 10:07

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