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2005.02.10

[統計]Mann-WhitneyのU検定と不等分散

以前、別のサイトに掲載していたものを書き直したものです(どこかに移してしまおうと計画していましたがようやく移しました)。

発端

 Mann-WhitneyのU検定(Wilcoxonの順位和検定)は独立な2標本を比較するノンパラメトリック検定の1つです。たぶん、もっとも使用頻度の高いノンパラメトリック検定でしょう。だいぶ前になりますが、不等分散のときにMann-WhitneyのU検定を使っている例がかなりあることに気がつきました。

問題

 しかし、Mann-WhitneyのU検定は帰無仮説での検定統計量の分布を求めるときに、2標本が同じ母集団からサンプリングされたと仮定しています。、U統計量の分布は、2標本がサンプリングされる母集団の分散が異なるときと同じ母集団からサンプリングされたとき(後者の場合がU検定用の表になっています)とはちがいます。1つの母集団は1つの分散しか持ちえません。そこで、Mann-WhitneyのU検定は等分散を仮定していることがわかります。しかも、等分散でないことは検定結果に影響を与えます。このことは、統計の本ではかなり前から言われています(たとえばSiegelの教科書など)。しかし、不等分散のときに好んでU検定を使っている例がかなりあるようです。
 下記の論文を書きました。「えっ、ノンパラメトリック検定なのに不等分散が影響するの?」(←ギャグではなく実際に聞いた)、とか、「本当かよ?信じられない」、とか、「どうすればいいの」とかいう方はそちらをごらんください。

Kasuya, E.(2001) Mann-Whitney U test when variances are unequal. Animal Behaviour,61:1247-1249.

上記「」内のようなご質問にはお答えしておりません。

不等分散と等分散

 こういう場合、不等分散と等分散ということばの意味は、標本分散がちがうことでも、標本分散に有意な差があることでも(直接的には)ありません。母分散がちがうことを指します。これはt検定などの場合も同じです。実は不等分散のときにU検定を使うと起こることは、定性的には不等分散のときに普通のt検定を強行したときの症状とよく似ています。

他の検定

 すぐに同じことが起こるとわかるのは、Mann-WhitneyのU検定の多標本版である Kruskal-Wallisの検定です。

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コメント

まあ、不親切ではあるよね。
分かるやつだけが分かっていればいいという
傲岸さは感じる。

投稿: | 2011.04.21 09:44

> 上記「」内のようなご質問にはお答えしておりません。
というのは、知識がないからですか?
単に面倒だからですか?
それとも、いじわるだからですか?
問題を提起するだけでそれに対して考えられる回答を述べないというのは、
ヒトとして寂しいですね。
まぁ、ヒントを記載しているだけマシでしょうか。

投稿: ? | 2009.02.05 15:35

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